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夜空にくっきり浮かんだ姿が神秘…

 夜空にくっきり浮かんだ姿が神秘的で美しい。きのうは「中秋の名月」だった。晴れた地域では多くの人が、その魅力を堪能したことだろう▼月は、日本人の美意識を刺激してきた。和歌や俳句、物語などの題材にもなった。平安貴族は杯や池に映る月を楽しんだというから風流だ。これから月の出は次第に遅くなる。「立待月(たちまちづき)」「居(い)待(まち)月(づき)」「寝(ね)待月(まちづき)」…。日ごと変わる呼び名は月への愛着だろう▼ロマンを秘めた存在だった月も、各国の探査活動などでベールが除かれていく。実際の月面を舞台にした民間初の月面探査の国際コンテストも進んでいる。着陸後に探査車を500メートル以上移動し、高解像動画などを地球に送ることを日本や米国など5チームが競う予定だ▼月や宇宙の実態に迫ることには夢や知への憧れがある。だが一方で、現実を知るほどに月への自由な想像力が失われないか気になる▼宇宙から俯瞰(ふかん)して地球を観測すると、自分だけという強者の論理ではもたないのが分かる。2度の宇宙飛行経験を持つ毛利衛さんが、かつて月刊誌でこういう趣旨の話をしていた▼世界の政治や地球環境など考えればうなずけよう。「日本人がか弱い月をめでるのは、弱者への思いやりにつながる。それが人類が生き延びるための知恵になる」。月から授かった豊かな“感性”を大切にしたい。

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