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ツキノワグマ狩猟解禁中止を 岡山県に日本熊森協会が意見書

岡山県にツキノワグマの狩猟解禁の中止を申し入れる日本熊森協会の会員(左側)=県庁

 岡山県内の銃によるツキノワグマの一部狩猟解禁(11月15日~12月14日)を前に、ツキノワグマ保護団体の一般財団法人・日本熊森協会(兵庫県西宮市)が2日、県に狩猟解禁の中止を求める意見書を提出した。

 意見書によると、山に潜んでいるクマの狩猟を再開しても集落などへの被害軽減につながらず、かえってハンターを危険にさらすと主張。クマの目撃数増加の原因究明や、ツキノワグマと人間が共存できる奥山の自然林復活などを要望している。

 この日、同協会の室谷悠子副会長、平井芳和岡山支部長ら会員6人が県自然環境課を訪問。県側に狩猟解禁に至った経緯、推定生息数の根拠について質問した。これに対し県自然環境課の米戸健浩課長は「生息地の東中国地域個体群(兵庫、岡山、鳥取3県)で、環境省が絶滅をクリアできるガイドラインの800頭を超えたため」とし、推定生息数の根拠について県側は「目撃、出没件数に加え、イノシシなど他の狩猟動物の罠(わな)で誤って捕獲された頭数のデータなどをもとに生息数を推定している」と説明した。

 さらに同協会は生息数が多い西粟倉村で毎年現地調査を実施している経過を報告した上で、「今は西粟倉村の奥山でツキノワグマの生息の痕跡を見つけることは難しい。原因は奥山ではドングリがなる広葉樹や低木が減少し、ツキノワグマが住めるような環境でなくなっている」とした上で、「動物の推定生息数を経済統計学から算出するのは不適切。人工林政策の結果、奥山が荒廃してしまい、クマが里山や集落付近に下りてきて目撃されるケースが増えてきているのではないか。推定生息数より実態個数は少ない可能性がある」と指摘。猟が解禁されれば「奥山でおとなしく生息しているツキノワグマを里山や集落付近に追い出し、かえって危険なことになる」と訴えた。

 岡山、兵庫(一部)、鳥取県の東中国地域は1991年に環境省のレッドリスト(絶滅の恐れのある地域個体群)に記載され、当時岡山県の生息数は10頭と推測。このため2000年から銃による狩猟を禁止していた。しかし、16年の調査で推定生息数は205頭(中央値)となり、今年11月から1カ月間、30頭を上限に狩猟を一部解禁する。兵庫県は昨年、今年の2年連続で狩猟を一部解禁。鳥取県は県条例でツキノワグマを希少野生動植物に指定しているため狩猟は禁止している。
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