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「枝野新党」結成へ 「合流」が招いた分裂劇だ

 衆院選公示を目前に、政局はさらに流動化する様相を呈している。民進党の枝野幸男代表代行が、新党「立憲民主党」の結成を明らかにした。小池百合子東京都知事が率いる「希望の党」に参加しないリベラル系の前議員や新人が加わる見通しだ。

 希望の党への民進党の突然の合流表明から一転して、野党第1党は分裂状態となった。ポイントになったのが、小池氏が打ち出した「排除の論理」である。憲法観や安全保障政策の一致が必要だとして、民進党からの参加希望者を選別する考えを明確にし、いったんは合流を了承していた前議員が反発した。枝野氏はきのう、希望の党について「私たちが積み重ね、目指してきた理念や政策とは異なる」と述べた。

 新党旗揚げにより、衆院選は自民・公明党と、共通政策で合意して候補者のすみ分けを図る「希望、日本維新の会」に加え、枝野新党や共産党などのリベラル・左派勢力が向き合う構図となりそうだ。

 枝野新党へはきのう、菅直人元首相や、選対委員長の長妻昭元厚生労働相らが早速参加を表明した。

 民進党公認で立候補を予定していた複数の新人も参加の意向を明らかにした。無所属では比例代表に重複立候補ができず、政見放送にも出られない。希望の党の公認を得られそうにない候補者は選挙戦を戦いにくいという事情があり、その受け皿となるものだ。一方、野田佳彦前首相や岡田克也元代表は無所属で戦う考えを表明した。

 注目されるのは今後、枝野新党がどの程度の勢力を結集できるかだろう。希望の党はきょうにも第1次公認候補を発表し、今後立候補者の顔ぶれを固めるが、公認の状況次第で枝野新党への参加の動きにも影響が出よう。

 小池氏が新党合流に当たって政策の一致を条件に掲げたのは、それを抜きに受け入れれば、選挙目当ての野合と批判される恐れがあったからだ。右派から左派まで幅広い考えの議員が集まった民進党が“寄り合い所帯”とやゆされ、最後までまとまりを欠いた現実もある。それだけに小池氏はあくまでも理念の一致を求めたのだろう。

 半面、「排除の論理」がことさらクローズアップされれば、小池氏のイメージにも影響しよう。民進党の支持団体である連合も全員が希望の党に合流できるよう迫ってきただけに、今後の出方によっては、連合の支援を受けて集票力を高めたいとする小池氏の戦略にも狂いが生じる可能性がある。

 公示まで1週間余りになっても離合集散が収まらず、対決の構図が揺れ動く状況は異例だ。小池氏や枝野氏は早急に具体的な政策をまとめ、実現への道筋を提示する責任がある。与野党を問わず、理念や政策を二の次にしたように映る行動を繰り広げていては国民の信頼は得られない。

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