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自然洞窟のことを沖縄では「ガマ…

 自然洞窟のことを沖縄では「ガマ」と呼ぶ。沖縄本島には数多くのガマが点在し、72年前の沖縄戦で米軍が上陸した際には大勢の住民が逃げ込んだ▼ガマによって救われた人もいたが、悲劇も起きた。読谷(よみたん)村のチビチリガマは住民の「集団自決」があったことで知られる。今も内部には遺骨が残り、遺族の希望で立ち入り禁止になっている。そのチビチリガマが今月、何者かによって荒らされていたことが分かった▼入り口付近の看板は引き抜かれ、平和学習で訪れた中高校生がささげた千羽鶴も散乱していた。ガマの中に残る陶器などの遺品も壊された。遺族や関係者らの心情を踏みにじる許されない行為だ。どんな意図があるのか▼衝撃を受けながらも前を向こうとする遺族の言葉を地元紙が伝えていた。「私たちは負けない。より強い心を持ってガマの歴史を伝えていきたい」▼1945年4月、米軍がガマ周辺に迫ると住民は竹やりで抵抗した。米兵が投降を呼び掛けても応じず、ガマの中で毛布に火をつけるなどして83人が死亡した。6割は18歳以下の子どもだったという▼住民がそこまで追い詰められたガマの悲劇を知ることは、国内最大の地上戦が行われた沖縄戦の実相を知る一歩でもある。心ない行為に抗するために必要なのは、これを機に多くの人が歴史に目を向けることだろう。

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