文字

『汚れたダイヤモンド』 過剰さに満ちた演出と色使いで描く復讐劇

(C)LFP‐Les Films Pell☆(アキュートアクセント付きE小文字)as / Savage Film / Frakas Productions / France 2 cin☆(アキュートアクセント付きE小文字)ma / Jouror Productions

 フランスの新鋭監督アルチュール・アラリの長編第1作。シェイクスピアの『ハムレット』を下敷きに、“父と息子”という普遍的なテーマを扱った復讐劇だ。パリで強盗一味に属する主人公が、父親のみじめな死を知り(生家に見捨てられたと思い込み)、ベルギーのアントワープでダイヤモンド商を営む“一族”への復讐を誓う。だが、それは悲劇の第一歩に過ぎなかった…。

 近年のフランス映画には珍しいフィルムノワールで、古典的な悲劇の構造や、目のクローズアップの多用、白いシャツに飛び散る(あるいはにじむ)鮮血の赤、癲癇の発作やハトを殺す描写…過剰さに満ちた演出や色使いから、原色のフィルムノワールと呼びたくなる。フランス映画というよりもイタリア映画の雰囲気に近く、むしろダリオ・アルジェントをはじめとする“ジャッロ映画”を思い出した。

 最近の映画ではあまり使われなくなったズームレンズの活用や、人物を入れ込まず室内をトラックアップするカメラ(これは主人公の主観で、物語上の必然性があるのだが)がもたらすB級映画のテイストも、その世界観を補強しており、1981年生まれのアラリ監督が相当なシネフィルであることが推察できる。懐かしいのに、否、懐かしいが故に新しい! そんな映画を作る才能が登場した。★★★★★

監督:アルチュール・アラリ

出演:ニールス・シュネデール、アウグスト・ディール、ハンス・ペーター・クロース

9月16日(土)から全国順次公開

【エンタメカルチャー】の最新記事

ページトップへ

ページトップへ

facebook twitter rss

▼山陽新聞社運営サイト
さんデジタウンナビ | 岡山の医療健康ガイド | マイベストプロ岡山 | 47CLUB | さん太クラブ | おかやまリフォームWEB | LaLa Okayama
山陽新聞カルチャープラザ | 建てる倶楽部 | 山陽新聞進学ガイド | 山陽新聞プレミアム倶楽部 | まいられぇ岡山 | 囲碁サロン
▼関連サイト
47NEWS | 今日のニッポン
掲載の記事・写真及び、図版などの無断転記を禁じます。すべての著作権は山陽新聞社、共同通信社、寄稿者に帰属します。

Copyright © The Sanyo Shimbun. All Rights Reserved.