文字

障害者4事業所 設立当初から赤字 倉敷・大量解雇、補助金頼みで運営

 倉敷市内で障害者224人が一斉解雇された問題で、閉鎖された就労継続支援A型事業所5施設のうち4施設は、いずれも設立当初の2014年度事業収益が実質赤字だったことが11日、山陽新聞社が入手した資料で分かった。判明分の実質赤字は計8600万円となるが、同期間の国などの給付金が計1億6800万円に上るため、赤字体質のまま補助金頼みで事業を運営、拡大していたとみられる。

 A型事業所はあじさいグループ(倉敷市)が運営し、7月末に経営悪化を理由に閉鎖した。資料は、市の立ち入り検査の際に提出する報告書で、施設ごとに毎月の事業収入や賃金支払い、給付金の受給状況などを記している。市は4施設をおおむね設立1年後に検査し、経営実態を把握していた。これまでは同グループの話として「設立当初から赤字だった」と説明しており、今回の資料で明確になった。

 報告期間(14年度)の実質赤字は、A型事業所・あじさいの輪=4月から9カ月で2370万円▽あじさいの道=5月から11カ月で2240万円▽あじさいの絆=9月から7カ月で1440万円▽あじさいの風=9月から7カ月で2550万円。

 グループは14年1月設立の「輪」を皮切りに、同5月の「道」、同8月の「絆」、同9月の「風」と、事業収益が伴わないまま新たなA型事業所を開設し、「輪」は定員を設立時の10人から3カ月後に岡山県内で最大規模の60人まで増やしていた。

 閉鎖した5施設のうち「あじさいの里」は今年1月に設立されたばかりで、市はまだ立ち入り検査をしていなかった。

 資料によると、4施設はダイレクトメールの封入や果物の包装ネットの袋詰めなどの軽作業を中心とした事業で収入を得ていた。収入だけでは賃金を賄えない月が大半を占め、本来は施設の運営費などに充てられる給付金で補填(ほてん)していた実態がうかがえる。

 補助金を当てにした運営は各地で問題視され、国は今年、給付金による賃金の穴埋めを原則禁止し、雇用開発の助成金(最大3年間)の支給条件も厳格化した。倉敷市はこうした措置により、あじさいグループの事業継続は難しくなった可能性があるとの見方を示している。グループ本部は「代表者が不在のため答えられない」としている。

 障害者就労に詳しい倉知延章・九州産業大教授は「実質赤字のまま事業所数や定員を増やすこと自体が不適切で信じられない。補助金目当てと見られても仕方がない。今後、行政の認可責任や指導体制が一層問われるようになるだろう」と話している。

 岡山県内ではA型事業所の約8割が事業収益で賃金を賄えない実態が明らかになっており、所管する県や市が経営改善計画の提出を求め、収益性の改善を促している。
カテゴリ:

【地域社会】の最新記事

ページトップへ

ページトップへ

facebook twitter rss

▼山陽新聞社運営サイト
さんデジタウンナビ | 岡山の医療健康ガイド | マイベストプロ岡山 | 47CLUB | さん太クラブ | おかやまリフォームWEB | LaLa Okayama
山陽新聞カルチャープラザ | 建てる倶楽部 | 山陽新聞進学ガイド | 山陽新聞プレミアム倶楽部 | まいられぇ岡山 | 囲碁サロン
▼関連サイト
47NEWS | 今日のニッポン
掲載の記事・写真及び、図版などの無断転記を禁じます。すべての著作権は山陽新聞社、共同通信社、寄稿者に帰属します。

Copyright © The Sanyo Shimbun. All Rights Reserved.