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「岡山歴史のまちしるべ」探訪②

ルネスホール。いまどきこれほどに重厚な建物は、はやらないのでしょうか。

紙屋町由来説明の地図。城下筋が内堀の右側に作られたとしても、「町」と「現」と▼マークの間ぐらいじゃないかと…

紙屋町由来説明の案内板は、ここにあります。さて、どうでしょうか…

 気が付けば9月です。岡山地方、今年の夏も暑かったですねぇ。私の「少年時代♪」では、35度を超える日などほとんどなかったように思います。クーラーなど家にはありませんでしたが、なんとか過ごせていました。それに比べ、やはり地球温暖化なんでしょうか、いまやクーラー無しで夏を過ごすなど考えられないですよね。それにもかかわらず、自転車でせっせと通ってくる仲間のおじさんライダーには敬服します。

 さて、間が空いてしまいましたが、「岡山歴史のまちしるべ」続きです。

 旧内山下小学校の石垣の下から城下筋へもどって、路面電車の通りを再び南下します。左手にルネスホールがあります。これはもと日本銀行岡山支店。古代ギリシャ風の外観で、いまどきのビルとはひと味もふた味も違います。で、「まちしるべ」はその北隣と、ホールの正面の2か所。北横は「渡辺数馬(かずま)屋敷跡」です。この人は、江戸初期の岡山藩士で日本三大仇討ちの一つ「鍵屋の辻の決闘(伊賀越えの仇討ち)」で荒木又右衛門(またえもん)の助太刀を得て敵討ちをした人、だそうです。「三大仇討ち」と言われても、あまりピンとこない方も多いでしょう。私の年代でもおそらく三つ言えといわれて答えられる人は少ないのではないでしょうか。私もダメです。いまは「時代劇」というジャンルそのものが無くなっていっているような気がします。

 そしてルネスホールの正面にあるのは「岡山医学専門学校跡」。日本銀行が大正11(1922)年にできますが、それまでこの地に明治3(1870)年からあったそうです。今の岡山大学医学部ですね。大正12年に官立医科大学になりますが、この官立医科大学は、戦前には6校しかなかったそうです。

 さらに南下すると、今度は電車通りを挟んで向かい側に「津田永忠屋敷跡」があります。沖新田干拓、百間川開削、後楽園築庭、閑谷学校設立などなどを行った人物で、岡山市民ならば必須で知っておくべき人ですね。近くに岡山城の大手門があった場所ですから、いかに重要な人であったかがうかがい知れます。「まちしるべ」とは別に顕彰会や岡山経済同友会らによる顕彰碑も建っています。

 そこから、その裏手に入って「鐘撞堂」。なんと江戸時代の1666年から昭和8(1933)年まで、市民への時報の役割を果たしていたそうです。戦火で焼失したそうですが、残っていれば兵庫県の出石町や埼玉県の川越市のように、町のシンボルとして観光の目玉になっていたことでしょう。3層の立派なものだったようです。

 さて、電車道に戻るとすぐに、町名の由来を紹介する「まちしるべ」があるのですが、ここで発見(?)です。紹介される町名は紙屋町。紙を扱う商人が多くあったから、という由来ですが、どうもそこに示された地図の「現在地」の位置が違っているように思うのです。ここまでたどってきた城下筋が、昔の内堀を埋め立てた上に作られた道路だとするならば、案内板はおそらく右の2枚目の写真にある地図の「紙屋町」と書いている「屋」の字のあたりではないかと…。ただ、ウィキペディアに載っている「岡山城の縄張り」という航空写真を見ると、城下筋=電車道は内堀の上に作られたのではなく、内堀の東側に付けられているようです。ただそれでもちょっとズレているような…。古い絵図と今の地理関係を比定するのはなかなかに難しいですね。仲間と一緒にああでもない、こうでもないと、面白いです!

 今回はようやく城下筋を下ったところまでです。私たちの「まちしるべ」自転車散歩はまだまだ続きます。もうすでに爽やかな秋風が吹き始めていますが、自転車散歩にはいい季節がやって来ます。皆さんもぜひ。

 ◇

志野敏夫(しの・としお)
 大阪生まれ。中学高校は奈良県の生駒です。1995年4月から、岡山理科大学に。阪神大震災の年です。2008年、「おかやま自転車ネット」を立ち上げました。現在、岡山理科大学経営学部経営学科教授。専門は歴史。金印や卑弥呼、神社のことを研究しています。

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