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倉敷鉄道高架化 便益は584億円 市が試算、事業費上回る効果

 JR倉敷駅付近の連続立体交差(鉄道高架化)事業について、倉敷市は10日、独自に算出した完成による便益(効果額)を明らかにした。事業主体の岡山県が2013年に示した便益419億円に、踏切待ちのいらいら感の解消といった効果として165億円を加え、総額を584億円と算出。事業費494億円を上回るとした。

 県の試算では、便益を事業費で割った費用対効果は0・85で、事業費に見合う効果が期待できる1を割り込んでいたが、市の試算では1・18となる。県は昨年12月、高架化区間を短縮してコストを縮減する3案を示したが、3案の費用対効果はまだ算定していない。

 倉敷市の加算額は、国土交通省の指針に沿い、アンケート結果から公共サービスなどのメリットを金額で表す仮想的市場評価法を用いて計算した。

 具体的には、14年10月に市内全域から2千世帯を抽出してアンケートを実施。いらいら感解消をはじめ、踏切事故の危険性がなくなり安心感が向上▽駅南北一体となった空間が形成―といった高架化による効果を示し、そのために許容できる月額世帯負担額を50~5千円の範囲で質問。回答で得られた支払ってもよい平均月額695円を基に、県の試算と同じ完成後50年間分の便益として出した。

 県の試算は、国交省が連続立体交差事業の効果を分析するマニュアルに基づいて算出。自動車移動時間短縮385億円のほか、走行燃料や交通事故の減少などによる便益を積み上げている。

 倉敷市の試算は同日の県議会土木委員会で、参考人として出席した同市の原孝吏建設局長が説明した。原局長は「高架化事業の必要性は高まっている」と訴えた。

 県都市計画課は「県としては、従来の試算方法で費用対効果を判断したい」としている。

 仮想的市場評価法 アンケートで、環境改善に対していくら支払ってもよいかを尋ね、市場で価格が形成されない価値を算出する方法。自然環境の改善や快適性、安心感の向上といった便益を推定でき、河川環境整備事業などに用いられている。アンケートを基に算出するため、適切な手順や内容で質問を設ける必要がある。
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