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備前焼最大の晋作像 制作写真発見 伊勢崎陽山氏が大作に挑む63枚

窯出しした晋作像の大きな顔をなでる伊勢崎陽山氏

 備前焼細工物の名手だった伊勢崎陽山氏(1902~61年、岡山県重要無形文化財保持者)が61年前、山口県下関市の日和山公園に建立した「高杉晋作像」の制作過程を収めた写真63枚が見つかった。像は高さ4・2メートル、重さ3・7トンあり、陶像としては国内最大級。天井から宙づりになっての成形作業や窯出しした頭部を満足そうになでる姿など、未踏の大作に挑んだ当時の様子を伝えている。

 56年完成の晋作像は、戦時中の金属供出で失われた銅像の2代目として、下関市の水産業界で活躍した実業家・故有吉京吉氏=備前市出身=が、陽山氏に注文した。写真は地元で写真館を営んでいた清水照勇さん(2015年没)が撮影。遺品の整理をしていた遺族が発見し今年1月、陽山氏の次男で人間国宝(重要無形文化財保持者)の淳さん(81)へ贈った。

 写真はモノクロで、設計図を描く場面に始まり、土作りや窯焚(た)きを経てトラックで下関へ輸送、除幕式で披露されるまで、約3年にわたった制作を追う。高さ50センチの像から等身大、実物大へと試作を重ねた上で、全身を5分割して積み上げた様子もつぶさに分かる。

 当時、兄の故満氏(県重要無形文化財保持者)と作業を手伝った淳さんも「ほとんど見たことがない写真」とし、臼井洋輔・備前市立備前焼ミュージアム館長は「備前焼最大の作品として知られる晋作像の制作過程と共に、真摯(し)に作品に向き合う陽山の姿を伝える貴重な資料」と話している。
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