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瀬戸内で牛窓・亜細亜芸術交流祭 20日から 11人が空間芸術作品

若宮八幡宮でオブジェ制作に取り組む折原さん(中央)

邑久高ヨット部員を被写体に映像作品を制作する海野さん

 国内の若手アーティストが集う現代アートイベント「牛窓・亜細亜芸術交流祭」が、20日から8月31日まで瀬戸内市邑久町尻海地区で開かれる。造形や映像などを使ったインスタレーション(空間芸術)を展開し、小さな海沿いの集落と芸術のコラボレーションの可能性に挑戦する試み。開幕を目前に、現地で作品制作が大詰めを迎えている。

 国内外の一流芸術家を招き、牛窓オリーブ園(同市牛窓町牛窓)を主会場に開催されていた「JAPAN牛窓国際芸術祭」(1984~92年)の精神を引き継ぐイベント。岡山県内の芸術愛好家らでつくる実行委員会が、自由な創造の場を提供しようと2010年にスタートし今回が3回目となる。地元住民グループ「錦海湾堤防を守る会」の協力を得て、初めて尻海地区で行う。

 参加するのは、若手の登竜門「岡本太郎現代芸術賞」で昨年に準グランプリの敏子賞を受けた折原智江さん(25)をはじめ、首都圏で活躍する芸術大生を含めた11人。各アーティストは3月に初めて現地入りし、今月からは滞在時間を増やして閉校した小学校、幼稚園、木材工場跡、神社の4カ所を舞台に1人1作品に取り組んでいる。

 折原さんは若宮八幡宮で、直径5メートルはあろうかという円すい形の塩のオブジェを制作中。巨大な盛り塩を連想させる作品で、オブジェの中には自らの涙から抽出した塩を用いた小さな彫刻を置くという。「海の塩、私の体の塩。海に近いまちで二つの関係性を探った」と説明する。

 海中での映像インスタレーションなどを手掛けてきた海野林太郎さん(24)は、邑久高校ヨット部の男子生徒を被写体とした作品に挑戦。このほか、幼稚園の園庭をキャンパスに見立てた油彩の表現、工場内で人影が動く映像を用いた取り組みなど、各アーティストの独自性が輝く多様な作品が登場する。

 総合ディレクターで美術批評家の花房太一さん(34)=岡山市出身=は「大型商業施設もコンビニもなく、良い意味で近代化していない。そこにアートが潜り込むことで、何かが始まる予感がする」と話す。

 同地区はかつて回船業で栄え、現在は国内最大級の太陽光発電所(メガソーラー)の建設が進む。総合プロデューサーの建築家丹羽英喜さん(72)=岡山市=は「歴史と未来が混在する尻海のポテンシャルは高い。思いがけない視点の現代アートがまちづくりの起爆剤になれば」と期待している。

 期間中、時間は午前10時~午後5時で入場無料。実行委は運営資金の一部に充てるため、クラウドファンディングで出資を募っている。詳しくは公式ウェブサイト(http://ushimado-asia.com)。
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