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ノリ色落ち防止へ下水排水規制緩和 9月から岡山県が初の試み

養殖ノリの収穫作業。海中の栄養塩が不足し、色落ち被害は深刻化している=玉野市沖

 養殖ノリが色づかない「色落ち」などの被害を防ぐため、岡山県は9月から、県内の下水処理場の排水規制を緩和する。瀬戸内海の水質改善の観点から水質汚染の要因となる窒素やリンといった栄養塩の排出量を沿岸他県より厳しく制限してきたが、近年は海水の貧栄養化による漁業への影響が顕在化。窒素とリンの含有基準を2002年に設けて以来、初めて緩める。

 県内では、02年10月以降に整備された処理場は水質汚濁防止法の最も厳しい水準を適用し、窒素の含有量を排水1リットル当たり10ミリグラム、リンは1ミリグラム以内に制限しているが、9月からは窒素20ミリグラム、リン2ミリグラム以内に緩める。02年9月以前の処理場についても窒素を20ミリグラムから25ミリグラム以内、リンを2ミリグラムから3ミリグラム以内にする。

 対象の処理場は、水質汚濁が深刻な児島湖流域を除いた65カ所で、いずれも市町村が管理。県は各自治体に対して、地元漁業者などから具体的な要望があり、地域住民からも一定の理解が得られる場合は緩和するように求める。

 瀬戸内海は1950~70年代の高度経済成長期、工場や生活の排水による水質悪化が深刻化し、赤潮被害も発生。県は73年制定の瀬戸内海環境保全特別措置法(瀬戸内法)や水質汚濁防止法に基づいて排水規制を強めてきた。しかし、色素合成に必要な栄養塩が減ったことでノリの色落ちが増加。被害が大きかった13年度の養殖ノリの県内生産量は1億5800万枚(1枚は縦21センチ、横19センチ)とピークの89年度の4割程度に落ち込んだ。瀬戸内海の漁獲量の低迷も貧栄養化が影響しているとの見方もある。

 現行の県の窒素、リンの含有基準は広島、兵庫、香川、愛媛を含む瀬戸内沿岸5県で最も厳しい数値。近年、ノリ養殖が盛んな兵庫や福山市の一部の下水処理場で基準を緩和する動きもあり、広島、兵庫、香川と同水準に基準を緩めることにした。県の水質総量削減計画(17~19年度)で定めた、県全体の1日当たりの窒素排出量を37トン、リンを1・9トンまでに抑える目標は据え置く。

 瀬戸内法は15年の改正で、多様な生物がすむ「豊かな海」の実現を目指すことが新規に盛り込まれており、岡山県環境管理課は「改正瀬戸内法を踏まえ、水質保全を第一としつつ、水産資源が持続的に確保できる環境づくりに努める」としている。
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