文字

検察の政界捜査にストップをかけ…

 検察の政界捜査にストップをかける指揮権発動は、戦後ただ一度だけ行われた。造船業界を舞台にした贈収賄事件、いわゆる「造船疑獄」である。63年前のきょう、犬養健法相が発動し、自由党の佐藤栄作幹事長(後に首相)の逮捕を阻んだ▼疑獄では、造船会社社長だった土光敏夫氏=岡山市出身=も東京地検特捜部の取り調べを受け、不起訴になっている。「まことに立派な被疑者であった」と、後に検事総長になった伊藤栄樹氏が回想している▼寒い日も必ず、調べ室に入る前に襟巻きを外した。そのままでいいと言っても、「お調べですから」。姿勢を正し、質問には毅然(きぜん)と答えた。自宅を調べた捜査員は、来信の封筒を裏返して使っていたことに感心しきりだったという▼その後、土光氏は経営再建のため請われて東京芝浦電気(現東芝)の社長に就任。経団連会長も務め、行政改革に心血を注いだ。質素な生活ぶりから「めざしの土光さん」と呼ばれたのはよく知られている▼その古巣の東芝がいま、苦境にあえいでいる。2年前の不正会計問題に続き、1兆円を超える過去最悪の赤字が明らかになった。あまりにさびしい名門の凋落(ちょうらく)である▼米原子力大手の買収など拡大路線のつけといえるが、福島の原発事故をなぜ戒めとしなかったのか。トップの覚悟を土光氏に聞いてみたらいい。

【滴一滴】の最新記事

ページトップへ

ページトップへ

facebook twitter rss

▼山陽新聞社運営サイト
さんデジタウンナビ | 岡山の医療健康ガイド | マイベストプロ岡山 | 47CLUB | さん太クラブ | おかやまリフォームWEB | LaLa Okayama
山陽新聞カルチャープラザ | 建てる倶楽部 | 山陽新聞進学ガイド | 山陽新聞プレミアム倶楽部 | まいられぇ岡山 | 囲碁サロン
▼関連サイト
47NEWS | 今日のニッポン
掲載の記事・写真及び、図版などの無断転記を禁じます。すべての著作権は山陽新聞社、共同通信社、寄稿者に帰属します。

Copyright © The Sanyo Shimbun. All Rights Reserved.