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福山・草戸千軒町遺跡に火打ち石 専門家がメノウの2点確認

草戸千軒町遺跡から出土し、火打ち石と確認された石製品

藤木聡学芸員

 芦田川河川敷に存在する中世の集落跡・草戸千軒町遺跡(福山市草戸町)から出土した石製品の中に、メノウの火打ち石が2点含まれていることが、専門家による調査で分かった。所蔵する広島県立歴史博物館(西町)は「火打ち石は出土品で唯一未確認だった発火具。火おこしに関連する考古資料全体の価値が高まった」としている。

 専門家は宮崎県立西都原考古博物館(西都市)の藤木聡学芸員。2点のうち重さ55・8グラム(長さ4・3センチ、幅3・9センチ、厚さ3センチ)の石は室町時代後半(15世紀後半~16世紀初頭)に使われたと推定されている。もう一方は使用年代不明で、同18・8グラム(長さ4センチ、幅2・5センチ、厚さ1・9センチ)。

 藤木学芸員が2012年1月、県立歴史博物館を訪れ、火打ち石が含まれている可能性のある石製品が入ったコンテナ10箱程度を調査。火打ち金に打ち付けられて潰れたり、傷が付いたりした石を一つずつ確かめ、2点を特定した。火打ち石に関する県内の古文書や地名などを調べた結果も含め、同博物館が17年3月に発行した研究紀要で報告した。

 草戸千軒町遺跡からは火打ち金5点、木製の火鑽(ひきり)板3点と火鑽棒2点の発火具が出土。このうち火鑽板1点を除く9点が国の重要文化財に指定されている。石製品は膨大なため、火打ち石としての特定が困難だった。今回の結果を踏まえ、同博物館は発火具のセット展示を検討している。

 藤木学芸員は「県立歴史博物館が長く資料を整理・保管してきたからこそ火打ち石の発見につながった。今後、産地や流通経路などの特定につながる研究が地元で進むことを期待したい」と話している。

 草戸千軒町遺跡は鎌倉時代から室町時代にかけて港町として栄えた。1961~94年の断続的な発掘調査によって出土した土器や漆器、金属製品など2930点が国重文となっている。
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