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電子出版の勢いが止まらない。出…

 電子出版の勢いが止まらない。出版科学研究所(東京)の調査では、昨年の売り上げは前年比27・1%の増加。これに対して紙の出版物は3・4%減で12年連続の落ち込みようだ▼劣勢の紙出版物だが、どっこい電子書籍にはない強みもある。書店をのぞくと、手に取ってもらおうと凝らした工夫の数々に気付く。特に動きがあるのが文庫本である▼例えば、昨年末に没後100年を迎えた夏目漱石。新潮文庫の特別カバーは、どの作品も額に手を当てた文豪の有名な写真を使っている。ところが作品ごとにスーツを違う色にしてあり、つい手が伸びる▼佐伯泰英さんの時代小説「居眠り磐音 江戸双紙」(双葉文庫)は帯の背が「技あり」だ。51巻を順に並べると、切り絵作家小宮山逢邦さんが描いた江戸時代の隅田川の光景が現れる▼タイトルや著者名がある表紙を別のカバーで覆い隠し、そこに書店員による客への熱いメッセージを書き込んだのが「文庫X」。昨年、盛岡市の書店員が思いつき、全国でヒットした。勢いに乗ってか、同様にカバーを外すと題名が現れる「ディスカヴァー文庫」も誕生した▼身近な文庫本で未知の作品に出合える楽しさと、紙媒体が持つメディアとしての可能性を、作り手も読み手も再認識したのではないか。これからどんなアイデアが生まれるか。楽しみだ。

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