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熊本でハンセン病家族訴訟弁論 原告男性が陳述「今もおびえ」

会見で元ハンセン病患者の家族が抱く思いを語る黄さん(中央)=熊本市

 国が長年続けたハンセン病の隔離政策で深刻な差別を受けたとして、元患者の家族568人が国に謝罪と損害賠償を求めた訴訟の第3回口頭弁論が3日、熊本地裁で開かれた。両親と2人の姉が瀬戸内市の国立療養所・長島愛生園に入所していた原告団副団長の黄光男(ファンクァンナム)さん(61)=兵庫県尼崎市=が意見陳述で「原告は家族がハンセン病だったと語れなかった苦しさを抱え、今もおびえている」と述べ、一人一人の被害に向き合うよう訴えた。

 1次提訴原告59人の代表の1人として意見陳述した。家族が退所するまでの幼少期を児童養護施設で過ごした黄さんは「家族と引き離され、顔も知らないまま過ごさざるを得なかった。隔離政策により、あるべき家族の関係性が根本から奪われた」と強調。不法行為に対する損害賠償請求権が時効で消滅したとする国側の主張には「社会には今も偏見・差別が渦巻いている」と反論した。

 黄さんによると、愛生園では当時、先に入所した母親が別の男性と暮らし、見舞いに訪れた父親が激高して男性にけがを負わせる事件があった。両親は退所後、この事件を口にすることなく、いずれも自ら命を絶ったといい「息子に打ち明けられなかった心の苦しさから逃れるために自死を選んだとしか思えない」と涙ながらに語った。

 閉廷後、熊本市で会見した黄さんは、父親の事件を改めて振り返り「隔離政策が家族にもたらした被害だ。国は今も苦しんでいる人が大勢いることを認識してほしい」と求めた。

 訴状によると、らい予防法(1996年廃止)による隔離政策で偏見が助長され、家族は結婚や就職でさまざまな差別を受けたとしている。
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