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林原美術館に「白磁の龍馬像」 ゆかりの岡山で初公開

十二代酒井田柿右衛門が手掛けた白磁の坂本龍馬像

 林原美術館(岡山市北区丸の内)の特別展「坂本龍馬展」に、有田焼の名工・十二代酒井田柿右衛門(1878~1963年)が手掛けた白磁の龍馬像が出品されている。来歴を追うと、岡山との浅からぬ縁が浮かび上がった。

 像高は約37センチ。白装束の龍馬が雄々しく立ち、まっすぐに前を見据える。柿右衛門が「自らを顧みず国のために奔走した龍馬の精神性を伝えたい」と、昭和初頭に制作した13体の一つ。日露開戦直前に明治天皇妃の夢に龍馬が現れ、戦勝を予言したという逸話の姿を表現し、龍馬のおいの息子に当たる坂本直道(1892~1972年)に贈られた。

 直道は岡山大の前身の一つ、旧制第六高等学校で学び、南満州鉄道(満鉄)の欧州事務所長などを務めた。さらに妻の万寿は岡山の名家の出。龍馬像は夫妻が当時パリ在住だったため、岡山市の万寿の実家にいったん届いたという。展示は柿右衛門が万寿の母親に宛てたあいさつ状も紹介する。

 第2次世界大戦が勃発し、帰国した直道は大正期から断絶していた坂本龍馬家の4代目を継承。日米開戦に反対して満鉄を去った後は静かな後半生を送った。像も同家の外に出ることはなかったが、直道の子孫が3年前に高知県立坂本龍馬記念館(高知市)に寄贈。今回の特別展で、ゆかりの岡山での初公開が実現した。

 十二代柿右衛門は後に国重要無形文化財に指定される濁手(にごしで)(乳白色の素地)を復元した名匠で、龍馬記念館の前田由紀枝学芸課長は「美術品としても逸品。柿右衛門が像に込めた龍馬の精神は、受け取った直道にも通じる部分が多かったようです」と話している。

 特別展は龍馬が愛用した備前刀の脇差しなど同館所蔵品を中心に71件を展観。山陽新聞社など主催。3月12日まで。月曜休館。
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