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中電陸上部監督に油谷繁氏就任 名門復活「ゼロからの挑戦」

 あぶらや・しげる 山口県長門市出身。1995年、美祢工高から入社。現役時代は163センチと小柄ながら、タフな精神力と安定したフォームを武器にマラソンで活躍。駅伝でもチームの黄金期を支えた。マラソンの自己ベストは2001年のびわ湖毎日で出した2時間7分52秒。

 中国電力陸上部の監督に油谷繁氏(39)が1日就任した。元日の全日本実業団対抗駅伝で2度優勝し、自身を含む3人の五輪マラソン選手を輩出したチームは近年、低迷傾向にある。かつて世界と渡り合った名ランナーは2020年東京五輪も視野に入れ、名門復活へかじを取る。

 1月末、広島市中央公園。「選手が走っているときは座りません」。スーツ姿で立ったまま、ジョギングの様子を見守る。顔つきは現役時より少しふっくらとした印象だ。

 01、03年の世界陸上、04年アテネ五輪マラソンでいずれも5位入賞。11年の現役引退後はコーチに転身し、25年間率いた坂口泰・前監督(55)=現総監督=のナショナルチーム強化コーチ就任に伴い監督に昇格した。ただ、北京五輪マラソン代表の尾方剛、佐藤敦之らと一時代を築いたチームの現状は厳しい。04、07年に優勝したニューイヤー駅伝は昨年、01年からの連続入賞が15年で途切れ、今年も9位とあと一歩届かなかった。

 背景には有力選手の「東京一極集中」がある。箱根駅伝が隆盛を誇る男子は「そのまま東京に残る選手が増えている」(油谷監督)からだ。中国電力は部員の8割が中国地方出身者。復権を果たすには「隠れた“素質”を見つけ、育てるしかない」(坂口総監督)。

 それは油谷監督の競技人生とも重なる。高校時代は全国的には無名の存在。1万メートルで28分台を出したのは入社3年目、初マラソンは5年目だった。会社の看板を背負う駅伝で結果を残しながら、世界で戦う走力の礎を培った。チーム結成時から続く「駅伝というベースの上にマラソンがある」との方針を変えるつもりはない。

 陸上界を見渡せば、量より質を求める選手が増えているが一線を画す。「マラソンに効率の良い練習なんてない。どれだけ走り、距離を踏むか」。その積み重ねでしか世界との差は縮まらないと実体験から確信する。

 部員16人のうち現時点で兼実省伍(倉敷高―拓大出)ら7人がマラソンで東京五輪を狙う。選手には「チャンスは誰にでもある。出場が目標ではなく、メダルを目指せ」とハッパを掛ける。一方、チームとしてはニューイヤー駅伝の入賞が最大の使命だ。

 「結果が全て。監督としてゼロからの挑戦」。駅伝とマラソンの両立に不退転の決意で臨む。
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