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お金危機意識の世代間ギャップ

グラフ1、厚生労働省 厚生年金保険・国民年金事業の概況 平成15~26年度データからグラフ化

グラフ2、退職給付(一時金・年金)の支給実態 厚生労働省 平成15~25年度のデータをグラフ化

厚生年金保険受給者(老齢年金)平均年金月額の推移

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大学卒退職者1人平均退職給付額

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 現在の大学生や新社会人の人とお金に関するお話しをしていると、ファイナンシャルプランナーの私からみても手堅いと感じることが多いです。一方、ベテランビジネスマンで高収入なのに貯蓄が苦手だと口にする人にもよくお目にかかります。どうやら、お金のとらえ方について世代間で差が生まれる背景がありそうです。

年金の現実、団塊ジュニアが最初に気付く?

 「団塊ジュニア」の定義は諸説あるようですが、私自身、団塊世代ど真ん中の昭和23年生まれの父を持つため団塊ジュニアである意識があります(私自身は昭和53年生まれです)。同年代だけでなく、色々な世代の人とお金について会話を交わすことが多いのですが、どうも背景からお金に関する危機意識の持ちやすさが、かなり違いそうだと感じています。

 実は親の年金問題などから、団塊ジュニア世代は一番初めにセカンドライフの資金について危機意識を持ちやすい年代だと考えられます。「現役の頃、比較的多くの所得を得て、所得に応じた厚生年金保険料を納めていたにも関わらず、意外と受給年金額が低かった」。そう話す親(団塊世代)を持つ私と同世代の相談者は多いです。

 団塊ジュニア世代より上の年代を見てみると、現役社会人としてバブル景気を経験し、華やかにお金を使ってしまいがちだと話す人が多いです。遊び方やお金の使い方も上手で魅力的な人が多い世代でもありますが、セカンドライフ資金への覚悟という点では、自分のことだと感じにくい人が多いようです。

自分の親のセカンドライフだけを参考にすると危ない

 お金に関する危機意識に差が出る背景を見てみましょう。例えばセカンドライフ資金の要となる老齢年金。会社員として勤めて受け取る厚生老齢年金の受給額の平均は年々低下しています。

 平成11年度の平均月額17万7046円に対して、平成26年度の平均月額は14万4886円。ご自身の親御さんが定年退職を迎えたときの水準はいかがでしょうか。

 受給額は現役時代の収入によって異なります(グラフ1)。バブル時代経験者の人たちからは「自分たちの親は年金で月40万円程度受け取って悠々自適に生活しているよ」といった話を聞くことも珍しくはありません。団塊ジュニア世代の人たちからは「自分の親は現役時代に1000万円以上年収があったのに、受給年金額は20万円台みたいなんだよね」といった声もよく耳にします。

 年金生活に入ったばかりの両親の生活が印象として強く残るかもしれませんが、給付額も毎年少しずつ見直しが行われているので、注意が必要です。

 また、公的年金以外にも退職金が多く出た親を持つ人はセカンドライフに関するお金を楽観視しがちです。5年ごとに厚生労働省が実施する退職給付に関する支給実態調査を見ると、退職金も厚生老齢年金と同様に減少傾向です(グラフ2)

 自分のセカンドライフを想像するとき、どうしても身近な親がリタイア後の生活をどのように過ごしているかを参考にしてしまいがちです。しかし、数十年、リタイアのタイミングが違うと、置かれる環境はガラリと変わります。

 どの世代であっても、自分たちの場合はどうなりそうか、しっかりと情報収集し対策をとっている人もいますが、やはり世代によって得やすい情報とそうでない情報があるようです。自身の世代がお金に慎重になりやすい世代か、楽観視しやすい世代かを知り、その背景を知っておくと、自分がリタイアを迎える頃に「想定外」と感じることが減り、驚かずに済みます。

 セカンドライフに関する資金は数年で築くことが難しいことも多いです。「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を活用して自分の受給額を小まめに確認したり、自分の会社の退職金ルールをチェックすることも有効でしょう。

 また、時には世代の異なる人が話すお金に関する考え方に耳を傾けてみるのもよいかもしれません。同世代の人とは違った感覚を知る機会にもなりそうです。世代によって得やすい情報に偏りが出がちであることを知っておくと、自分のセカンドライフを築くための支えになります。



風呂内亜矢(ふろうち・あや) 岡山市出身。岡山朝日高校卒、ノートルダム清心女子大学卒。独身時代にマンションを購入したことをきっかけにお金の勉強を始めファイナンシャルプランナーに。昨年9月に「デキる女は『抜け目』ない」を刊行。東京在住。

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