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がん細胞狙い薬運ぶ技術開発 岡山大グループ、林原の細胞活用

 岡山大は16日、がん細胞だけを破壊する独自開発のウイルス製剤「テロメライシン」を、標的に効率よく運ぶ技術を開発したと発表した。バイオ関連事業の林原(岡山市)が発見していた、がん細胞を選んで入り込む細胞「HOZOT(ホゾティ)」の働きを活用。全身にがん細胞が広がった進行がん患者の治療につながる岡山生まれの技術として注目される。

 開発したのは、同大大学院の藤原俊義教授(消化器外科学)、同大病院新医療研究開発センターの田澤大准教授らのグループ。テロメライシンを使った食道がん治療の臨床研究を2013年から進めており、腫瘍そのものに投与する方法を用いる一方で、がん細胞に近づいて内部に侵入するホゾティの働きに着目した。

 ウイルスを搭載したホゾティを作り、がん細胞の固まりや、おなかの中でがんを広がらせたマウスで、治療効果を調べた。ホゾティは正常細胞には影響せず、がん細胞のみに入り込んでウイルスを拡散し、がん細胞を死滅させることを確認した。

 ホゾティは06年、林原がヒトのへその緒の血液・臍帯血(さいたいけつ)から発見。へそを意味する「臍(ほぞ)」と、免疫反応を抑える「制御性T細胞」の一種であることにちなんで名付けた。

 ただ、ヒトに投与するためには、他人の臍帯血に由来することで起きる拒絶反応を抑える必要がある。藤原教授は「この課題をクリアできれば、進行したがん患者の生存率を改善できる可能性がある」としている。
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