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船の周りで小魚が次々に飛び跳ね…

 船の周りで小魚が次々に飛び跳ねた。穏やかな海に秘められた生き物の躍動感に驚く。備前市日生町沖の鹿久居島と本土との間、2メートルほどに伸びた海草のアマモが森のように広がる海域だ▼魚介類の生育場所となり、「海の揺りかご」とも言われるアマモ場の価値を実感する場面でもあった。アマモには水質浄化や酸素を生み出す効用などもあり、海の環境にとって大切である▼日生町沖には1940年代に590ヘクタールのアマモ場があったが、高度成長期の水質悪化などで85年にはわずか12ヘクタールに減少した。漁獲量の減少に危機感を持った漁師らは、前例のないアマモ場復活作戦に乗り出す▼岡山県などの力も借りながらアマモから採取した種をまくが、さほど成果は上がらない。少し根付いたかと思えば台風で流されたこともあった。それでも工夫を重ね、種をまき続けた▼水質改善の効果もあり、アマモ場は現在250ヘクタールまで回復している。この30年余りの取り組みを地元の日生中の生徒らが演劇に仕立てた。先月、当地で開かれた全国アマモサミットで披露し、感動を呼んだ▼日生は“アマモ場再生活動発祥の地”として知られ、各地で同様の取り組みが広がっている。きょうは海の日。人が適度に手を加えて生き物が豊かな環境を保つ「里海づくり」の最前線が身近にあることを知っておきたい。

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