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映画「64―ロクヨン」後編見て 主演・佐藤浩市と瀬々監督来岡

「刑事である自分が広報官をやっているということをキープして演じた」と話す佐藤(左)、「生身の人間たちの感情を絵空事にならないように表現してくれる人たちが集まってくれた」と語る瀬々監督=岡山市

映画「64―ロクヨン―前編/後編」の前編の一場面((C)2016映画「64」製作委員会)

 横山秀夫原作の同名小説を映画化した「64―ロクヨン―」の後編が、11日から全国公開された。昭和64(1989)年に起こった少女誘拐事件を巡るミステリーと、重厚な人間ドラマの大作。来岡した主演の佐藤浩市と瀬々敬久監督が作品への思いを語った。

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 7日間しかなかった昭和64年、身代金目的で少女が誘拐、殺害された事件・通称「ロクヨン」が発生する。未解決のまま時効が1年後に迫った平成14(2002)年、かつて刑事として事件の捜査に加わった三上(佐藤)は、広報官として勤務。ある事故の加害者の匿名発表をめぐり東洋新聞の秋川(瑛太)を中心とした県警記者クラブと衝突する中、ロクヨンを模倣した誘拐事件が起こる―。

 公開中の前編では、三上は匿名問題に決着をつけてロクヨン捜査員激励のための警察庁長官の視察取材に応じてもらおうと、30人近い記者に演説。遺族に対してわき上がる感情を、ぐっと抑えるように語りかける。反発していた記者たちの心を解かす重要な場面だ。

 「俺をつぶすつもりで来い」。撮影前、佐藤は記者役の俳優陣に“宣戦布告”した。「こっちばかりが気を張って、のれんに腕押しのようなシーンにはしたくなかった」と言うが、彼らを挑発しながら、自分自身を鼓舞する狙いもあった。

 「浩市さんはクランクインの前から、もうこのシーンに向かって走り出していた」。瀬々監督は、気持ちが途切れないようにと、佐藤の提案で3台のカメラを使い、長回しで撮影したという。

 広報室職員を綾野剛、栄倉奈々らが演じるなど、主役級のキャストが脇を固めるが、記者クラブの記者たちも一人一人の個性が際立つ。「記者をないがしろにしないでくれ、というのが横山さんからの唯一の要望だったから」と、一人ずつ役名や設定をつけた。

 人間ドラマが主の前編と打って変わって、後編は「ロクヨン」を模した誘拐事件が発生し、14年前の事件の謎が解明されていくミステリーが中心となる。原作にはないドラマも盛り込まれ、ラストは三上が思いがけない行動に出る。

 「原作ではあくまでも広報官、という立場だが、映画では刑事、父親とさまざまな顔を描いた」と瀬々監督。完成した映画に横山からは「これは『65』だねと言われた」と笑う。

 組織対個人、中央対地方、父と子の関係…さまざまな要素が描かれる本作。二人は「警察内部の話だが、一般社会に通じる部分もある。人間と人間の情のふれあいを見てほしい」と話した。

 「64―ロクヨン―」は前・後編ともイオンシネマ岡山、TOHOシネマズ岡南、MOVIX倉敷で公開。
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