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海風に誘われて~春の瀬戸芸会場めぐり(1)犬島 「成長」した作品に注目

天井や床から放たれる水糸が光の筋のように見える「エーテル」

ゲタやゴボウなどの野菜を使い素朴な味わいの「犬島丼」

 瀬戸内海の島々を舞台にした現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭2016」が開幕した。3回目となる今回は、前回と同じ12島2港を会場に、国内外のアーティストがさまざまなアートプロジェクトを展開している。まずは春季(4月17日まで)に行われる8島2港を岡山から訪ね、各地域の魅力を伝える。

 島を包み込む光を表現した黄色の糸約6千本が、天井から降り注ぐ。築200年の古民家を改修したギャラリー「C邸」で展開される下平千夏さんの作品「エーテル」。工事現場などで水平を取るために用いられるナイロン製の水糸を縦横無尽に張り巡らせている。ハンモックに腰かけて天井を眺めると時間の流れを忘れてしまいそうだ。

 瀬戸内国際芸術祭の島では、岡山県内唯一の会場となる犬島(岡山市東区)。世界的な建築家妹島和世さんが設計、東京都現代美術館チーフキュレーター長谷川祐子さんがアートディレクターを務める「家プロジェクト」、自然エネルギーを利用した三分一博志さんの建築と柳幸典さんによる作家三島由紀夫をテーマにしたアート作品を展示する「犬島精錬所美術館」が根強い人気を誇っている。

 犬島へ向かうには、宝伝港からの定期船(大人300円)を利用する。港周辺の駐車場は70台(1日500円)と限りがあるため、定期船に合わせ、JR岡山駅から会期中1日3便運行される直行バス(大人750円、約50分)が便利だ。港近くの案内所で手荷物を無料で預かってもらえるほか、豊島・家浦港、直島・宮浦港、小豆島・土庄港行き定期船の整理券を配布しており、別の島に渡る計画を立てている場合は必ず受け取っておこう。

 作品はいずれも徒歩5~10分圏内にあり、家プロジェクトと犬島精錬所美術館は、2、3時間あればのんびり鑑賞できる。今回のキーワードは「成長」。従来作品をリニューアルしたアートが多く、昨春公開した「エーテル」に手を加えた下平さんは「犬島の地面に反射するまぶしい光をさらに強調したかった」と狙いを語る。

 石職人の家跡で淺井裕介さんは「太古の声を聴くように、昨日の声を聴く」をグレードアップした。島民宅の庭に眠っていた島特産の犬島石(花こう岩)を周辺に敷き詰め、草や魚、動物などをイメージさせる模様を追加している。

 情報収集は犬島港近くの案内所か黒い建物のチケットセンターで。関連グッズ販売や軽食の提供も行っている。港周辺の食堂では、ゲタ(シタビラメ)のミンチやゴボウなどを甘辛く煮た汁をご飯にかける「犬島丼」をはじめ、カレーやパスタ、海鮮丼などが味わえる。

 犬島海水浴場まで足を延ばすのもお薦めだ。小豆島や豊島が望めるほか、倉敷芸術科学大などの学生が制作した石の彫刻にも出合え、島とアートを丸1日かけて満喫できる。
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