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岡山県立美術館で森本美由紀展 郷土の異才、躍動する墨線の美

装う女性を簡略な墨の線でとらえた原画が並ぶ森本美由紀展会場

 岡山県立美術館(岡山市北区天神町)のシリーズ企画「岡山の作家☆再発見」がユニークだ。知られざる郷土の異才を毎回ピックアップ。21日まで開催中の第2弾は、1980年代から主にファッション雑誌で活躍し、3年前、54歳で急逝した津山市出身のイラストレーター森本美由紀の仕事を紹介している。

 会場に並んだ原画など約250点に描かれるのは、ドレスやファーから日常着までをおしゃれに着こなした女性たち。大半が筆による墨線でさらりと表しただけなのに、とびきり華やかで都会的だ。

 森本は津山高校卒業後、上京しセツ・モードセミナーで学んだ。「mcシスター」「ヴォーグ・ジャパン」「MINE」といった雑誌をはじめ、映画や音楽とも幅広くコラボレーション。2007年にアトリエを津山に移したが、地元で存在を知る人は少なく、没後、東京のギャラリーで開かれた追悼展を訪れた福冨幸主任学芸員は「こんな人が津山に」と驚いたという。

 その最大の魅力が、墨の表現だ。森本は実際にモデルを使ったクロッキーからイラストを起こした。モデルの動きを瞬時にとらえた墨の線は、実に生き生きと躍動する。森本は線の美しさにこだわり、最小限の線での表現を試みた。福冨主任学芸員は、水墨画の名手でもあった剣豪宮本武蔵が用いた手法「減筆」に例える。

 「書かずして形や色を想像させる。見る側のイメージを重ねることができたから、多くの女性に支持されたのではないか」

 そういえば、昨年の第1弾の画家宮忠子=岡山市在住=も墨の表現だった。地元でほとんど発表しなかった人だったので、古里の山や木々をモチーフにした独自の墨筆画の柔らかな美は新鮮だった。16年度は洋画家2人を取り上げるという。今から楽しみだ。
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